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医療

電子処方箋システムの導入で投薬ミスが減少 50

ストーリー by headless
投薬 部門より
danceman 曰く、

米国では年間5万人~10万人が医療ミスで死亡している。乳がんやAIDS、交通事故よりも死者を多く出しており、医療ミスは死因の上位にランキングされている。投薬に関連するミスは主要な医療ミスの1つで、年に数千人の死者を出しているという(Patexiaの記事本家/.)。

投薬ミスを減少させるシステムとして近年注目されているのが電子処方箋だ。PLoS Medicineに掲載されたオーストラリアでの研究成果によると、電子処方箋システムの導入により院内での投薬ミスが全体では60%減少。医療ミスの件数が大きく変動することはなかったものの、深刻な医療ミスは44%減少したという。米国では入院患者だけでなく、外来患者に対しても電子処方箋が使われるようになってきており、カリフォルニアでの電子処方箋システム導入率は2007年の3%から2011年には25%にまで増加したとのこと。

ただし、オーストラリアでの研究結果でわかるように、電子処方箋を使用しても投薬ミスは依然として多い。また、電子処方箋システムの導入と運用に関する費用を減らすことも今後の課題といえるようだ。

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  • 十年ほど前、異動で総合病院のオーダリングシステム構築のプロジェクト・マネージャをしたことがある。
    オーダリングシステムを入れれば、処方箋をはじめとしたオーダ内容をチェックできて、医療事故を防げるというのを導入効果として、予算確保したんだけど。
    処方箋であれば、医薬品や食品の相互禁忌などのデータベースを作って、医師が処方オーダをしたときに自動的にチェックし、副作用などのリスクがあれば警告を出すといったものだった。
    ITを使って医療ミスを減らすというのは、電子カルテやオーダリングシステム導入の前提だと思っていたんだけど違うんだろうか。
    それと、アメリカでは医師に秘書が付いていて、秘書がカルテを記入するみたい。医師が直接入力するようになれば、伝達ミスによる医療ミスは減らせるよな。

    • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 14時30分 (#2106449)

      > 今時、こんなことをいってるの?

      ストーリーにある「オーストラリアの報告」はこれまでにない新しい知見が得られたって話じゃなくって、
        「実際に運用した結果をサーベイしてみたら具体的にこれだけの効果が得られた」
      って話だよね。

      > ITを使って医療ミスを減らすというのは、電子カルテやオーダリングシステム導入の前提

      その「前提」が実際はどのくらい*定量的に*正しいものなのかは、ある程度まとまった運用情報がないといえないでしょ。

      > 医療事故を防げるというのを導入効果として、予算確保したんだけど。

      決裁通すためにはそれなりに説得力のある情報が必要なわけで。
      机上の効果説明だけでは厳しいところも多いのですよ。
      # もちろん、コストもこなれていない状況で貴重な実践知見を提供してくれるヒトバシラーの方々には感謝してます

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    • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 16時01分 (#2106467)

      3年位前、オートコンプリートで、医師がかなり似ている商品名の薬を処方してしまって死亡っていう国内例があった。

      医師は前に務めていた病院で出していた薬(XYZXYZ)を処方しようと思っていたところ、新しい病院は別系統の製薬会社と契約していたため、頭から数文字入力(XYZ)した時点で変換候補が一つに絞られたので、その薬で処方箋を書いてしまったが、実は全く違う薬(XYZYXZ)で、本来処方するべき薬の名前(ABCABC=XYZXYZ)も全然違うものだった。

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      • by Anonymous Coward

        そのおかげで、オーダエントリシステムの投薬(処方)のユーザインターフェースは、
        薬品名の先頭「2文字」で補完してしまうのはダメとなり「3文字」ならOKとなったような。

        • by Anonymous Coward

          薬品名の先頭「2文字」で補完してしまうのはダメとなり「3文字」ならOKとなったような。

          よく騒ぎになった「サクシゾン」と「サクシン」(注射薬ですが、ステロイドのつもりが筋弛緩薬で……)は3文字目では区別できないような。
          # ソル・コーテフしか見たことないのでAC

    • by Anonymous Coward

      で,診察の問診時に医師はひたすらパソコンに向かい合って
      キーボードを叩いてフィールドを埋めている.
      患者の方に対しては「時々ちらっと」見て話を「ふんふん」って聞いている

      # 聞いた内容・診断結果をちゃんと書く(入力する)のは
      # 間違っちゃいないのだが,微妙な違和感はある

      • 手書き入力が出来る電子カルテのシステムが商品化されていて、PCとかに慣れてると違和感があるんだけど、そういうシチュエーションだと手書きの方が患者から見た印象は悪くないのかもですね。

        --
        通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
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        • 電子処方箋のUIを横から見てると、自動補完されたのを訂正訂正しまくってらしたりしてちょっと怖くなる(笑)。

          # 多分、ちゃんと大丈夫なように要件を詳細に検討の上、設計・実装されているんだと思う一方、
          # 全くそうなってなくて現場の努力依存になっちゃってるシステムも知ってるので不安感がぬぐえない。
          親コメント
          • 電子処方箋に限らず、そういう使い方してるユーザーは多いですけどね。

            無論、半角、全角が入り交じるぐらいは普通で、下手すりゃ、「(株)、(株)、㈱」が入り混じったりぐらいも当たり前だったりする。

            現場の努力依存つうか、運用でカバーして成り立ってるシステムなんて、そこらじゅうにありますよ?
            銀行や保険屋さんのシステムにも関わってますけど、ユーザーの自由を認める代わりに信頼性を犠牲にするなんてのは珍しくないんですよ(苦笑)

            --
            通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
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            • by Anonymous Coward

              そんなのシステム側で正規化すればいいだけじゃん

              • by Anonymous Coward

                普通に正規化しちゃ駄目ですよ。
                検索・比較時に、一時的に正規化する程度に留めないと「ユーザーの自由」が減りますので。
                場合によっては検索・比較時に正規化して比較するのも「ユーザーの自由」が減る扱いされてしまう事も。

                「使用目的を全て満たす仕様にするからシステムに人間があわせろ」って言えれば一番いいのでしょうけどねぇ・・・

          • 医師や診療科毎に標準的な処方のセットを準備しておいて、患者の状況に応じて処方内容を微調整する、というのが多いと思いますね。
            自動補完は、他の方も書いてあるとおり薬を間違えたりするリスクが高いので無いと思うなぁ。
            処方オーダで効果があるのは、投薬量のチェック、病名と薬の対応あたりかと思います。薬の相互作用を調べるのは、薬の数か増えてくると計算量が爆発的に増えてくるので、かなり難しく、特にリスクの高い薬同士とか、同一薬効の薬をグループとして、グループ同士をチェックするといった方法をとるみたい。

            ところで、日本の場合、十年くらい前に2006年度までにオーダリングシステムの普及をはかるといった国策があったんだけど。
            1990年代中頃から先進的な病院でオーダリングシステム導入とかが進んでいて、医療情報学会などで導入効果について発表されていたと聞いてます。
            さらに遡ると、アメリカでは1970年代から、こういうシステムの導入が進められていたと聞いていたので、きちんと定量的な調査してあったんだろうなと思ってましたが違うんですね。

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    • by Anonymous Coward

      >ITを使って医療ミスを減らすというのは、電子カルテやオーダリングシステム導入の前提だと思っていたんだけど違うんだろうか。

      いや、ちゃんと調査が行われて(+調査方法が明らかにされていて)、
      調査結果が出たというのは意味があるんじゃないでしょうか。

    • by Anonymous Coward

      医者は忙しい。
      診察をし、考えながらだとカルテを書いたり処方箋を書くとミスが起こる。
      だからアメリカだと医師に秘書が付く。
      他の人も書いているけど、診察・治療(の指示)という医師しかできない仕事に集中できるようにそのようになっている訳で、医師が直接入力するようになれば更にミスは増えるだろう。

  • by Anonymous Coward on 2012年02月27日 5時01分 (#2106620)

    個人的な感想です。

    1.Dr.は字が汚い。
    これは国際的にそうらしい。その分、絵は(比較的)上手。
    (だから電子処方箋システムにするのは効果がある。)

    2.薬剤名に似た名前が多すぎる。
    日本でもよく取り上げられる問題。
    関係ないが、容量を一桁間違えたなんてケースもあったな。

    3.院外処方の話だけではない。
    入院患者の点滴を準備していたNs.がまとめて作っていた点滴液を間違えてしまう話はよくある。これは電子処方箋システムだけでは改善できないが、ベッドサイド診療録やバーコードによる薬剤管理などで日本では減らしつつある。(でも相変わらず点滴ボトルにはペンで書いたのが多い。)

  • 電子化でミスが減った理由って一体なんだろ?

    そもそも、どの段階でのミスだったのか知りたいところではあったり。

    医師が処方箋を書く段階での問題だったのか?
    処方箋が患者に渡るまでの問題だったのか?
    処方箋を見た上で薬を患者に渡す段階での問題か?
    あるいは患者自身が服用する段階での問題だったのか?

    #結局のところ、この手の人間にまつわる問題は、問題起こした人間を解雇するのが一番効果あるんだよな。人間性の問題は人間を排除しなきゃ再発の可能性は消えない。

    --
    通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
    • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 13時35分 (#2106430)

      電子化により減るミスとは、おそらくだが処方時とその後の事情(容態の変化、他科のDr.の処方内容との禁忌等)があったのにもかかわらず、紙の処方箋が訂正されないまま処方され投与された、みたいなのでは?

      でもねぇ、現在でも既に院外処方箋にQRコードを付けて読み込む等の半電子化はあるのだけど、知り合いの薬剤師と話をしていると「ピッ! と読み込んで流すのは入力ミスは減るけど、手で打ち込んでいる時は薬剤ごとに考えながらチェックしてた分がおろそかにならないようにしないといけないから別の面で大変」と言ってたな。
      投薬の安全という事なら、電子化がどうこうより疾患が判るように処方箋を見直す方が重要だと思うな。

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    • 医師の主な仕事は、患者を診断して治療(の指示)をすることにあるので、
      薬剤の名前を一字一句間違えず入力することじゃない。
      間違えた人を片っ端からクビにして余るほど医師がいればそれもいいけど。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      #結局のところ、この手の人間にまつわる問題は、問題起こした人間を解雇するのが一番効果あるんだよな。人間性の問題は人間を排除しなきゃ再発の可能性は消えない。

      そして誰もいなくなった

    • by Anonymous Coward

      >#結局のところ、この手の人間にまつわる問題は、問題起こした人間を解雇するのが一番効果あるんだよな。

      どういう経験を通じてこういう結論に至ったのかは聞いてみたい。

      • >どういう経験を通じてこういう結論に至ったのかは聞いてみたい。

        電子決済とか、電子回覧とか、その手のワークフロー関係のシステムを組んでると、そう思いますよ。

        少しでもシステム側に隙があると、人間って設計者が想像もしない使い方しますからw

        #過去に既存のシステムを引き継いだら、システム部の操作方法の認識とユーザーの認識が真逆で吹いた覚えがある(苦笑)

        --
        通知の設定いじったから、ACだとコメントされても気づかない事が多いよ。あしからずw
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        • by Anonymous Coward

          >電子決済とか、電子回覧とか、その手のワークフロー関係のシステムを組んでると、そう思いますよ。

          けっこう強い主張だったんで「電子処方箋システム」を運用した経験があるのかと思ったんですよ。

        • by Anonymous Coward

          「問題起こしたら解雇」というのを徹底しすぎると、「問題を隠蔽する」「既存のルールで判断しかねる緊急事態が起きたとき、責任を恐れて『何もしない』ことを選ぶ」、など人間や組織の運用ルールも含めた広い意味での「システム」が破綻しそうにも思います。

          # 根本的に「向いてない」人というのはいるので、そういう人にはよりフィットする業務に回ってもらうっていうのはもちろん重要ですが。

          • by Anonymous Coward

            ですよね。人間はミスをするという前提条件の上で「システム」を設計しないと絶対に失敗しますね。

            (ここでいうシステムとはコンピュータ処理に限らない。様々な仕組み)

        • by Anonymous Coward

          > 少しでもシステム側に隙があると、人間って設計者が想像もしない使い方しますからw
          そういう「隙のあるシステム」を組んでしまった人間も、それを漫然と引き継いだ人間も解雇すべきなんでは?

    • by Anonymous Coward

      >#結局のところ、この手の人間にまつわる問題は、問題起こした人間を解雇するのが一番効果あるんだよな。人間性の問題は人間を排除しなきゃ再発の可能性は消えない。

      それは単に問題を属人性で認識しているだけなのでは?
      Aさんの操作による問題という問題は、確かにAさんを解雇する事で解消するでしょう。
      後任のBさんによる問題はBさんの問題として新たに発生するわけですね。

  • by Anonymous Coward on 2012年02月27日 10時34分 (#2106664)

    (1)Dr.によって処方箋の書き方(用法と用量)が違う場合がある
    平成 22 年 1 月厚生労働省
    内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会の報告書
    http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/01/dl/s0129-4a.pdf [mhlw.go.jp]

    (2)リウマチ疾患患者への投薬のように不規則な用法や投薬休止期間がある用法もある

    (3)同一薬剤に単位が違うものがある「a錠15mg」「a錠25mg」

    (4)処方箋の記載内容に疑問がある場合には院外薬局からDr.へ照会する場合がある「その薬剤は廃止 or 単位がない」

    Dr.とシステム開発会社との間には距離がある、遠い距離が。
    Dr.と厚労省の間にも。
    でもゆっくりと丁寧に探せば隔たりを繋ぐ道が見つかるかもしれない。
    その道は凄く細くて、ちょっと目をそらすとすぐに見失ってしまう。
    だから必死に目を凝らして探さなくちゃいけないんだ。
    道があることを信じられなくなったら、その道は本当になくなってしまうかもしれない。
    だから、必ず道はあると信じ続けなくちゃならない。

    • by Anonymous Coward on 2012年02月27日 10時50分 (#2106673)

      処方箋の書式がよく変わるというのもある。
      以前はゾロ(ジェネリック医薬品)への変更がDr.のゾロでもOKの確認がわざわざ必要だったが、
      最近は国の医療費削減の方針にしたがって、Dr.がゾロ禁止と指示しない限り、薬局の判断で
      ゾロを出せるようになった。
      (参照したPDFの参考6、24ページの書式例にも右下にあるとおり)

      親コメント
  • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 17時30分 (#2106492)

    って注意されたとこが。

    3桁しか入力出来ないところを3桁にするのはOKだったけど
    500を超えると入力項目が赤くなるみたいなチェクはNGだったけど。

    人力で回避していてよく医療ミスしないなと関心した反面、、、
    電子カルテを導入するのも10年近くかかる国で。

    医療費削減と言いつつ互換フォーマットとか電子カルテにあるのかな・・・

    • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 18時48分 (#2106511)

      昔電子カルテの開発リーダーだったことあるけど、処方量のチェックは別に標準のオプションとしていれていても問題はない。
      ただ、勝手に機能を入れるなというのははある事件があってからじゃないのかな。薬の添付書から処方量のチェックをやると、けっこうな率で一般的な使い方であっても引っかかる。(添付書に書かれていない新しい治療法などが広まっても、添付書の記載が変わるのが遅すぎる) そのため医者がチェックが出てもまた出たかと無視するようになるのね。そんでもって、普通の薬とよく似た名前の毒薬があって間違ってオーダしたときに使用上限を超えているとチェックが出たのに無視してオーダをしてしまう。薬剤師もオーダリングシステムから来たものだからとそのまま処方してしまったという.
      これでメーカーが叩かれたので、チェック機能を標準で勝手に使われるようにするなと言われるようになったはず。

      親コメント
    • by Anonymous Coward

      その手の入力値チェックはカルテの標準機能としてつけると駄目出しされるのですが
      後付のオプション扱いで付けると許されるという話を聞いたことがありますね。

      >医療費削減と言いつつ互換フォーマットとか電子カルテにあるのかな・・・
      MMLってのが一応あります。
      http://www.medxml.net/mml23/ [medxml.net]
      本当に標準的なフォーマットって形にはなってないと思いますが。

  • by Anonymous Coward on 2012年02月26日 20時04分 (#2106530)

    電子化くらいで改善されるほど、元が酷かったってことではなくて?

    • by Anonymous Coward

      20年後の日本の話なので見ておいて損はないかと。

    • by Anonymous Coward

      普通業務の電子化は改善するために行われるのだから、改善するのが普通でです。

  • by Anonymous Coward on 2012年02月27日 0時42分 (#2106598)

    日本だと、厚生労働省によって、病院から薬局に向けてオンラインでデータを飛ばすことは”禁止”されてます。
    ええ、院外処方によって医療費を削減する(?)目的の為にね。

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未知のハックに一心不乱に取り組んだ結果、私は自然の法則を変えてしまった -- あるハッカー

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